抗菌薬投与開始後のフォローアップをどうすればよいのか?

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研修医1年目の先生と一緒に病棟で尿路感染症の患者さんを担当することになりました。

抗菌薬を開始したところで「いつまで投与すればいいの」という話題が挙がり、オリジナル資料を使って抗菌薬投与開始後のフォローアップについてミニレクチャーをすることにしました。

新総論03-治療のフォローアップ

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感染症で抗菌薬を開始した後のフォローアップでは、「局所のパラメータか全身のパラメータか」「パラメータの反応速度はどの程度か」ということを意識しながら複数のパラメータでフォローしていくことが大切です。

そうすることによってパラメータの解釈を誤ってせっかく奏功している治療を変えてしまったり一つのパラメータにとらわれて診断を間違い続けたりといった事態を防ぐことが出来ます。

具体的には尿路感染症に抗菌薬を開始してせっかく奏功しているのに反応速度の遅いパラメータである熱が下がらないことで心配になって抗菌薬を変更してしまったり、CRPが下がらないからと抗菌薬をあの手この手で投与し続けていたが実は下痢が出ていてCD関連腸炎であったことに気づくことが出来なかったりなどです。

投与期間を決定するには、感染臓器・起因菌を確認した上で文献を検索し大まかな治療期間を見定めて上で個々に合わせてアレンジします。

・・・といずれの流れも私が過去に出会った偉大な指導医の方々に教えていただいたことです。今回担当した症例ではサンフォード感染症ガイドから Lancet 2013 の論文をたどって参照し投与期間を決定しました。

研修医の先生にはパラメータを分けたり文献をたどって治療期間を決定すりするのは新鮮だったようです。次回以降に出会う症例でぜひ活かして欲しいです。

文責:近藤 猛