漢方よもやま話:第2回「夏バテ」

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夏バテ ビジネスマン

漢方では、各季節の気象の特徴を、春(2~4月)は“風”、夏(5~7月)は“暑、火” 長夏・土用(7月末~8月初旬)は“湿” 、秋(8月中旬~10月)は“燥” 、冬(11~1月)は“寒”と捉え六気(りっき)と呼びます。

この六気が度を超すと人を発病させるのに十分な病邪となり、各々を風邪、暑邪、火邪、湿邪、燥邪、寒邪、総じて六淫(りくいん)と呼びます。

このうち、暑邪が体内に入り込むと、身体が熱くなり、身体の気が上昇し発散することにより失われ(気虚)、津液(体を潤し、体内の熱を冷ますもの)も枯渇します。また、冷たいものを摂りすぎたりして脾胃に水が溜まり(水毒・水滞)消化機能が衰えます。この状態が“夏バテ”です。

夏バテには、漢方が重宝します。おもに4種の漢方薬が用いられ、食欲不振、全身倦怠といった夏バテによくみられる症状の他に、現れている徴候に合わせて使い分けます。以下、各々参考症例とともに示します。


【症例1】52歳女性

今年の夏はどこへ行っても節電で蒸し暑く、汗をよくかくので冷たいものをよく飲む。家では一晩中冷房を効かせている。最近、いつも胃のあたりが張っている感じがあり食欲が落ちている。朝起きたときから気だるく、手足が冷えている。
使用目標:みぞおちのつかえ、胃がチャポチャポ音がする、手足の冷え
処方:六君子湯


【症例2】43歳女性

最近夜中に下着を替えなければならないくらい寝汗をかくようになった。もともと疲れやすい方だが、夜寝ても疲れが抜けなくなった。朝から気だるい。とくに手足がだるくて仕方ない。
使用目標:もともと虚弱体質、手足の怠さ、微熱、寝汗
処方:補中益気湯


【症例3】33歳男性

午前中は冷房の効いた事務所にいるが、午後は営業で外まわり。汗をかいて喉が乾くので冷たいものをたくさん飲んでいる。最近疲れがひどいので、夜仕事が終わって食事に行く気にもならず、ビールと簡単なつまみぐらいしか食べていない。もともと便は軟らかめだったが、最近は下痢っぽくなっている。
使用目標:軟便~下痢、夏やせ、手足のほてり
処方:清暑益気湯


【症例4】65歳男性

趣味で野菜作りをやっている。夏はみずやりや夏野菜の収穫で、暑い中、毎日畑に出て汗だくになっている。血圧が高めで塩分は控えるように言われているので、水分補給は麦茶だけにしている。数日前から食欲不振、全身のだるさを自覚している。陽によくあたるせいか皮膚がかさかさになって痒い。
使用目標:顔色が悪い、皮膚の乾燥、寝汗
処方:十全大補湯


夏バテには漢方薬も有用ですが、消化の良い食べ物を食べ、生もの・冷たいものをとり過ぎないように気をつける、しっかり休養を取るなど生活習慣を整えることが何より大切です。

文責:佐藤 寿一

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